Story

ああ、そうか、また夏が来たんだった。

電車の中で目覚めて、溜息をつく。夏ごとに訪れる母の故郷は遠い。
自分以外の乗客がいない車内で何かを思い、考えかけては意識的にそれを打ち消す。
何も考えたくなかった。喧嘩したばかりの友人達のことも、これから行く土地のことも。
考える考えないに関わらず、憂鬱な気分に変わりなど無かったのだけれども。

――夏が、来てしまったんだ。

Attention

注意事項
 ・主人公が好きでもない相手とキスします(回避はできません)(描写もありません)
 ・性的な話が出ます(噂話レベル)(性行為の描写はありません)
 ・割と最低な人がいます
 ・以上三点の要素を苦手な方は注意してください好きな方も注意してください(期待すると肩透かしを食らいます)