Story
世界は、甘く優しくあたたかく、どこまでも美しい。
ある日まったく唐突に、日の光を浴びられなくなった女の子。まだ子供だった彼女は、けれど絶望には至りませんでした。
優しい兄弟に抱かれ守られ、一度は出たはずのゆりかごで甘く揺られてまどろむ。
子守唄のような日々の中、強固な殻の内側で、彼らを愛していた彼女はやがて恐怖を抱き始めます。
(いつ、ここは壊れてしまうんだろう)(追い出されてしまうんだろう)
太陽の光を浴びてはいけない少女と兄弟達のおはなし。
彼女の『自立』を遮るものは光でしょうか、社会でしょうか、それとも彼女自身でしょうか。
どれであれ兄弟達は彼女を愛し、支え、守ってくれます。何物からも。